岩手山周辺
 
 

 詩碑の向こうにそびえる岩手山

 賢治が幾度となく登った山。運動オンチの賢治が、岩手山登山では誰よりも早く登ったというエピソードがある。「石っこ賢さん」のあだ名をもつとても石が好きな賢治の押し入れには、持ち帰った沢山の石の標本でいっぱいだった。

 

岩手山

いただきにして

ましろなる

そらに火花の涌き散れるかも

   


向ふの方ではまるで泣いたばかりのやうな群青(ぐんじゃう)の山脈や杉ごけの丘のやうなきれいな山にまっ白な雲が所々かかっているだろう。すぐ下にはお苗代(なはしろ)や御釜(おかま)火口湖がまっ蒼(さを)に光って白樺(しらかば)の林の中に見えるんだ。面白かったねい。


童話「風野又三郎」より


水面に映る岩手山

   

 

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